えと、「今週の佐々木信也」とか(汗)「Borderline Cases」展のその後とか、先に書くべきことは大いにあるのは重々承知なのですが、取り急ぎカッと来てるのでアップします。
今日、メールで回ってきた「憲法改正プロジェクトチームの論点整理(案)」の問題点に関する文章です。
転送のそのまた...てな感じで回してるうちに、発信源がいつのまにか消えてもーたみたいなのですが、ひとまず「ご立腹」せずにはおれませんでした。
既に先月発表されたことで、早くから反応されてる方もいらして、
http://fb-hint.tea-nifty.com/blog/2004/06/post_6.html
若干出遅れてる感もありで恥ずかしいのですが...。
以下転載============================================
> ★緊急事態!投票日までにひとりでも多くの女性に伝えてください★
> 「現実にあわせて憲法を変える」⋯女性差別も!?
> 「両性の平等」を定めた憲法24条の改悪が検討されています!
>
>
> 6月10日に発表された自民党の「憲法改正プロジェクトチームの論点整理(案)」
>
(http://www.kenpoukaigi.gr.jp/seitoutou/20040610jiminkaikenPTronten2.htm)
> は、「家族や共同体の価値を重視する観点から」両性の平等を定めた憲法24条の
> 見直しを示唆しました。
> 政治家の女性差別発言、荒川区など自治体での男女共同参画へのバックラッシュ、
> 性教育・ジェンダーフリー教育への攻撃などが、ついに政権党から改憲案として
> 出てきました。ほとんどタリバーン化。緊急の事態です。
> 「家族は社会の基礎」として個人の権利を否定するような改憲案が通れば、少子
> 化対策や DV対策、男女共同参画計画などにおいて、すぐに深刻な影響が出てくる
> でしょう。もちろん女性のリプロダクティブライツを否定したり「ジェンダーフ
> リー」バッシングをしているのは、自民党だけではありません。ぜひジェンダー
> 平等を今度の選挙の争点にしましょう。
>
> それにしても選挙直前にこんな案を公表するとは、女性有権者をナメきっている
> としか思えません。7月11日の投票までに、ひとりでも多くの女性・男性に、私た
> ちの権利を奪おうとするたくらみを伝え、24条改悪を阻止しましょう!
> 現在、有志による「 STOP!憲法 24条改悪キャンペーン」を立ち上げ、共同アピー
> ルの発表や、全国で緊急行動を展開することを計画しています。ぜひみなさんの
> ご意見、アイデアをお寄せください。
===================================================
で、私も読んでみました、「憲法改正プロジェクトチームの論点整理(案)」。
もう最初から最後まで、わざわざおいらをを怒らせるために書いてるとしか思えない文章!
まず、全体を通じて「日本国家のアイデンティティ」「愛国心」「公共心」が串刺しになってますが、まあこれは今更って感じなので驚きませんが。
問題は次。
㈼ 各論
一 前 文
1 共通認識
現行憲法の前文については、これを全面的に書き換えるものとすることで、異論はなかった。
2 前文に盛り込むべき内容
前文に盛り込むべき内容に関する意見は、次のとおりである。
○ 現行憲法の基本原則である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」は、今後ともこれを堅持していくべきである。ただし、「基本的人権の尊重」については行き過ぎた利己主義的風潮を戒める必要がある。また、「平和主義」についても、現行憲法9条の見直しを反映させ「一国平和主義」の誤りを正すとともに、国を挙げて国際平和を推し進める姿勢を強調するなど修正が必要である。
(※引用中の文字化け、空き等はそのまま、以下同じ)
あのう、「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」を、あの前文を変えて、どうやって表現できましょうか。
しかも、「行き過ぎた利己主義的風潮」が、何を指しているのか、全然分かりません。
というか、「利己主義的風潮」が、憲法の所為だというその根拠も、でんでん分かりません。
その間の文章にもいろいろ文句はありますが、きりがないのですっ飛ばして、
四 国民の権利及び義務
(※中略)
3 公共の責務(義務)
公共の責務(義務)に関する意見は、次のとおりである。
○ 社会連帯・共助の観点からの「公共的な責務」に関する規定を設けるべきである。
○ 家族を扶助する義務を設けるべきである。また、国家の責務として家族を保護する規定を設けるべきである。
○ 国の防衛及び非常事態における国民の協力義務を設けるべきである。
あのう、いまの社会って、そんなに社会連帯・共助ができてないですか?
街をぶらぶらしてれば、ちょっと困ってる人に声をかけて助けてる人の風景を、よく目にしますけど。
ましてや、近鉄存続署名運動から始まって、イラクのモハマド君への寄付、または阪神大震災のような「非常事態」に至るまで、困ってる人に手をさしのべている人は、今でもたくさんいるんですが。
もうひとつ、「国家の責務として家族を保護する規定」って、それって家族のいない人、家族を作ろうとしない人は、保護されないってことですか?ちょっと待ってえな〜。
4 見直すべき規定
上記の2・3とも一部重複するが、現憲法の運用の実態に照らし、権利に関する規定を見直すべきとする意見は、次のとおりである。
○ 政教分離規定(現憲法20条3項)を、わが国の歴史と伝統を踏まえたものにすべきである。
○ 「公共の福祉」(現憲法12条、13条、22条、29条)を「公共の利益」あるいは「公益」とすべきである。
○ 婚姻・家族における両性平等の規定(現憲法24条)は、家族や共同体の価値を重視する観点から見直すべきである。
○ 社会権規定(現憲法25条)において、社会連帯、共助の観点から社会保障制度を支える義務・責務のような規定を置くべきである。
そう、これが問題の24条改悪!なあんで?
どういう風に考えたら、家族や共同体の価値を重視すると、両性平等じゃない方がいいって結論になるのよ!
現憲法は、家族や共同体をよりよくするために、両性平等を選んだんじゃないのかい?
ちなみにこれって、女性だけの問題じゃないですよ。
だって、男性の方が法的に有利になるとは、この文中どこにも書いてないんだから(苦笑)。
あと気になるのは、
六 司 法
(※中略)
3 今後の議論の方向性
司法のあり方については、一部に、常識に反する裁判をしているとの国民の批判を招いていることを踏まえ、司法制度改革を推進しつつ、今後とも検討を進める必要がある。同時に、司法への国民参加という観点から憲法に何らかの規定を置くべきかどうかについても、今後の検討課題とすべきである。
この「常識に反する裁判」ちゅうのが。よく分かりません。
書き手的には、「靖国参拝違憲判決」とか、そういうのを当てはめて欲しいんだと推測しますが、少なくとも最高裁の裁判官は国民が選んでるんでしょ。
その辺、もっと国民の意見聞いたらいいやん。
裁判員制度が良いのかどうかは、個人的には判断しかねるけど、裁判官が常識的(=良心的、とはいえないと思いますが、必ずしも)かどうかみんなが判断する機会でも、あるんじゃないの?と思うんですが。
以上、いつも書いてることですが、ほんっとうに主観的に言わしてもろてます。
前にもどこかで書きましたが、今の憲法は、私にとっては、両親が新制中学で教わって、そのコードが根底にある社会のもとで育ててもろて、自己実現し、社会と繋がって、今に至ったものであり、それを否定されると、私の価値観を否定されたような気分になるんですわ。
もちろん、憲法に関する論議を聖域化したいとかとは、さらっさら思ってません。
ただ、この「憲法改正プロジェクトチームの論点整理(案)」を、これからの社会のコードとして認める気にだけは、ぜんぜんなれないよ、というだけです。
7月11日には、この怒りを投票用紙にぶつけてやるぜ!(汗)
追記:
今日、「HEY×3」で佐野元春が新曲「国のための準備」を歌った。
「家族とか大切な人を心に留めて/美しく見える話には裏がある 」
っていう歌詞、まさに、今日私が上に書いたこと、「家族を護る」ことの暗部を、バチコーン!と突いてくれたぜ!
さすが元春兄貴、22年あなたに付いてきたことを、今日ほど嬉しく思ったことはありません!(笑)
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