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2004.06.28

「Co-responses on borderline─境界線上に立って、互いに応答する/日韓女性のアートと心」

6月27日、前日に続いて「Borderline Cases - 境界線上の女たちへ」展の関連シンポジウム
「Co-responses on borderline─境界線上に立って、互いに応答する/日韓女性のアートと心」
が開催された。

会場の慶應義塾大学の三田キャンパスに着いたら、東側の入口が新しくなっていたのにちょっと驚いた。
が、そんなの眺めてる場合ではない、また時間に遅れているのだ(汗)。
が(笑)、結局20分くらい遅れてスタート。
トータルで70名くらいの聴講者がいただろうか。

司会とパネリストのみなさんは、下記の通り。
(サイトから引用)============
●司会・提題 嶋田美子(慶應義塾大学文学部講師/インスタレーション・版画作家)
●開催挨拶 前田富士男(慶応義塾大学文学部教授/美学美術史)
講演 
●レベッカ・ジェニスン(京都精華大学教授/女性学)
●池内靖子(立命館大学教授/演劇論)
●李静和(成蹊大学教授/政治思想)
パネル討論
●パク ヨンスク(写真家/韓国)
●ユン ソクナム(木彫作家/韓国)
●イトー・ターリ(パフォーマンスアーティスト/日本)
●笠原美智子(東京都現代美術館学芸員)
============

さて、最初の講演は...、と、前日のように概要を説明したいところなのだが、実はそれどころでは無くなってしまったのだ。
会場で、前日道であった梨花女子大のお二人に、通訳が付いていないということがわかり、なりゆきで、急遽即席通訳をすることになった。
しかし、講演者が、日本語の資料を朗読しだしたり、「それでは引用の11を見てください、ここには...」と思ったら「もういちど引用の6に戻って...」みたいな語りのスタイルだと、こっちも資料見て訳して...ってやっていたら、訳がどんどん遅れていく〜!!(激汗)
しかも、私の知らない用語や、ハングルでの漢字語の読みが分からない熟語、知らない人名がわんさか出てきて、浅学の内実がバレバレでボロ出まくり(ベンヤミンのテキストが出てきたので訳したら、おひとりの専攻がまさにベンヤミンだった...ーー;;)、全然訳せない、半分勝手にあきらめ状態...。
それでも、お二人が「役に立ちましたよ」とお世辞にも言ってくださったので(汗)、ちょっとだけ救われた。

レベッカ・ジェニスンさんは、展覧会のテーマから、現在の世界の閉塞感、メディアの情報操作、大国主義への警告を、故テレサ・ハッキョン・チャの著書『ディクテ』や他のテキストの引用を用いつつ論じられた。
池内靖子さんは、この『ディクテ』の日本語版訳者であり、彼女の制作活動についても大変お詳しい方なのだが、チャの制作手法や、未完であった作品、影響を受けた映像作品などについて、まさに詳しく説明された(いや、聞いているだけならとても滋養になったであろう内容なのですが、通訳は大変でしたです。はい。)
李静和さんは、前日のオープニングを見た印象、またそこから想起された、自らの両親の歴史を語ってくださった。
会場のギャラリー「A.R.T.」の中で、女性の身体に入っていくような感覚を覚えた、これこそまさに「境界」なのだと感じた、と話しておられたのが印象的だ。

しかし更に問題が。
最初のお3方の講演だけで、早くも4時前!(汗)
パネル討論って出来るのかい?と思ったら、パネラー4名と、ゲストの韓国フェミニスト団体の方(お名前と団体名失念...分かり次第フォローします)のスピーチだけで、もう時間切れ。
でも、みなさんの挨拶がそれぞれにとても印象的で、展示を観ている人ならば、それでもう十分という感じになっただろう。
特に、イトー・ターリさんの、今回のパフォーマンス作品を作るまでの過程の話、ユン・ソクナムさんの、「こんなに予算のない展覧会は初めてだが、逆に開催までに向けたスタッフのエネルギーを強く感じて、この環境で展示が出来たことに感謝の気持ちを覚える」ということばが、心に残った。

この手のシンポジウムでは、会場が喧々囂々となるとか、ばっさりと尻切れトンボになることも少なくないのだが、今回は、会場一同が、何とはなしに共感の輪につつまれる...、という雰囲気ではなかったろうか。
#いや、単にツッコミどころが見あたらなかっただけかもしれないが(汗)。
それはそれで、今回のような、日韓や、またジェニスンさんのような研究者、アーティスト、活動家(変な意味でなく^^;;)の出会いと交流の場としては、十分その役割は果たされていたのではないかと思う。

それにしても、テレサ・ハッキョン・チャのことを、パネラーの誰もが口にしていたが、正直これまで殆ど名前を聞いたことがなかった。
しかし、この展示とシンポを通じて、その作品や生涯はとても興味深いものがあるらしいと分かったので、これから機会あるごとにいろいろ資料に当たってみようと思う。


#シンポジウムの本筋と関係ない話での感想だが、久しぶりに大量通訳して普段使わぬ頭をフル回転で使ったり、いろんな人と話してみて、とても楽しかったけれども、すこし疲れてしまった。
こんな貴重な出会いの場を、でっかくがっちりと受け止めて消化できる、体力的、精神的なパワーを持てるようになりたいものだ。

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