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2004.06.10

「Borderline Cases - 境界線上の女たちへ」展のお知らせ

えー、日韓の女性アーティスト7名による企画展「Borderline Cases - 境界線上の女たちへ」のお知らせをば。

前にちらと書いた、私のお世話になっている「お姉さん」が企画に入っておられまして、私も不束ながらお手伝い(おじゃまか...)をさせていただくことになりました。

韓国からの出展作家のなかでも、尹錫男さんは、96年に国立近代美術館で開かれた「90年代の韓国美術から — 等身大の物語」展にも出展されているので、作品をごらんになった方もいるかもしれません。
またパク・ヨンスクさんは、2002年の「光州ビエンナーレ」のプロジェクト3に、「マッド・ウーマン」という写真シリーズを出展されています。
今回も、期間中に日本で制作を行うそうです。

会期中には、パフォーマンスやシンポジュウムも開かれますので、みなさま是非足をお運びくださると嬉しいです。

それでは開催案内をざっくりと...。
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Borderline Cases - 境界線上の女たちへ 
2004年6月26日(土)-7月17日(土) 11:00-19:00(月曜休廊)
会場: A.R.T.
東京都渋谷区恵比寿南2-12-19

□6月26日(土)17:00-19:00 オープニング・パフォーマンス
(イトー・ターリ、高橋芙美子)
入場料:2000円(要予約、Fax 03-3207-0856 PA/F SPACE)
20:00- オープニング・パーティー

□6月27日(日)14:00-17:00 シンポジュウム
「Co-responses on borderlinー境界線上に立って、互いに応答する/日韓女性の アートと心」
場所 慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール(参加無料)
〒108−8345東京都港区三田2ー15ー45  電話: tel.090-8844-7079(嶋田)
李静和(成蹊大教授、政治思想)、池内靖子(立命館大教授、演劇論)、レベッカ・ジェニスン(京都精華大助教授、女性学)、笠原美智子(東京都現代美術館学芸員)、パク ヨンスク(写真家/韓国)、ユン ソクナム(造型作家/韓国)、イトー・ターリ(パフォーマンスアーティスト)
主催:慶應義塾大学21世紀COE人文科学研究拠点(表象B「芸術学」班)
   Borderline Cases実行委員会

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展覧会情報のURLはこちらです。
http://home.interlink.or.jp/~reflect/borderlinecases/
アクセスは面倒〜、という方は、「続きを読む」の方に、プレスリリースを掲載していますのでお読みくださいませませ。

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Borderline Cases - 境界線上の女たちへ 
2004年6月26日(土)-7月17日(土) 11:00-19:00(月曜休廊)
会場: A.R.T.
東京都渋谷区恵比寿南2-12-19
問い合わせ: tel.090-8844-7079(shimada)/email:reflect@interlink.or.jp

「国境」「境界線」「(精神医学的な意味での)狂気と正気 のはざま」という意味する「ボーダーライン」。
わたしたちの社会、国家、個人の中にある「ボーダーライン」を考え、そのせめぎあいの上で「他者」と相互に応答することを試みます。

参加作家:テレサ・ハッキョン・チャ、パク・ヨンスク、尹錫男(ユン・ソクナム)、出光真子、嶋田美子、イトー・ターリ、高橋芙美子

ゲストキュレーター:金善姫(キム・ソンヒ)(森美術館キュレーター)
コーディネーター:安田和代
主催:F.A.A.B. /「Borderline Cases」展実行委員会
共催:A.R.T.
助成:芸術文化振興基金
後援:駐日韓国大使館 韓国文化院
協力:フェミニスト・アーティスト・ネットワーク(韓国)、カリフォルニア州立大学バークレー美術館、立命館アート・リサーチセンター(「デジタル環境下の芸術」研究会;「表象とジェンダー」プロジェクト)、NPO法人大阪アーツアポリア、鎌倉画廊、(株)インターナショナルクリエイティブ、バービーハウス


□6月26日(土)17:00-19:00 オープニング・パフォーマンス
(イトー・ターリ、高橋芙美子)
入場料:2000円(要予約、Fax 03-3207-0856 PA/F SPACE)
20:00- オープニング・パーティー

□6月27日(日)14:00-17:00 シンポジュウム
「Co-responses on borderlinー境界線上に立って、互いに応答する/日韓女性の アートと心」
場所 慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール(参加無料)
〒108−8345東京都港区三田2ー15ー45  電話: tel.090-8844-7079(嶋田)
李静和(成蹊大教授、政治思想)、池内靖子(立命館大教授、演劇論)、レベッカ・ジェニスン(京都精華大助教授、女性学)、笠原美智子(東京都現代美術館学芸員)、パク ヨンスク(写真家/韓国)、ユン ソクナム(造型作家/韓国)、イトー・ターリ(パフォーマンスアーティスト)
主催:慶應義塾大学21世紀COE人文科学研究拠点(表象B「芸術学」班)
   Borderline Cases実行委員会


展覧会要旨:
 わたしたちの社会、国家、個人の中にある「ボーダーライン」を考え、そのせめぎあいの上で「他者」と相互に応答することを試みます。
 「ボーダーライン」には「国境」「境界線」「(精神医学的な意味での)狂気と正気のはざま」という意味があります。2002年の光州ビエンナーレに「マッド ウーマン」シリーズを展示して注目されたパク・ヨンスクの作品は、この「はざま」で不安定な位置を持たざるをえない女性を映し出しています。また韓国から米国に移住し、英語、フランス語を学んだテレサ・ハッキョン・チャは、ディアスポラとして国家の、言語の「はざま」でその揺れ動くアイデンティティを表現しています。尹錫男(ユン・ソクナム)は、韓国の家父長制社会のもと、日常にはりめぐらされた抑圧に沈黙を強いられ苦悩する女性たちの声を「母は19歳」というかたちに表出します。
 これらの作品に対峙して、わたしたちは自分たちの位置はどこにあるのか、この島国の国民国家でわたしたちは本当に確固としたボーダーラインに守られ、定義され、安定、安住しているのか、という疑問を突き付けられます。
 出光真子は、「自衛隊は軍隊になり、イラクへ出ていった」という昨今の状況と戦前の自らの幼少期とを重ねあわせ、市民生活と軍の動きの乖離を「直前の過去」として映像化します。嶋田美子は、プライベートなものと社会的なものとの緩衡地帯である家族に着目し、匿名の家族の隠蔽された闇、「家族の秘密」を公共へ引き出すことで、マジョリティとマイノリティの歴史や物語を解体してみせます。イトー・ターリは、民族や国家を構成しているマジョリティがマイノリティに抱く無意識的な「恐れ」に分け入りつつ、マイノリティとしての疑似カミングアウトという捻れの行為を通じて、民族差別や性差別を考えます。高橋芙美子は、「女性の表象」と私的な身体との 関係を、独特のペーソスに満ちた身ぶりによって顕在化させ、同時にその関係性をも逸脱していく彼方を暗示します。
 そしてまさにこの展覧会そのものが様々なジャンルの女性たちによって立ち上げられ、その各人が織りなす思考、表現行為によって成しとげられたという点でも、いわゆる「展覧会」の概念を揺り動かす境界線上にあるといえるかもしれません。こうして、わたしたちは日本の女性表現者として「ボーダーライン」への応答を提示し、観客とともに考えていきたと思います。


展覧会実施経緯:
 F.A.A.B/Borderline Cases展実行委員会のメンバーが光州ビエンナーレ(2002、嶋田美子参加)、「東アジア女性と歴史」展(2002、FAN主催、嶋田美子、イトー・ターリ参加)にパク・ヨンスクと共に参加し、また「日韓ウィメンズアート交流」事業 (2002、高橋芙美子、イト−・ターリ参加)では、受け入れ団 体であったFAN(フェミニスト・アーティスト・ネットワーク)の主要メンバーのパク・ヨンスク、ユン・ソクナムと親交を深め、ネットワークの輪を広げた。
 パクの「マッドウィメン・シリーズ」が2004年1月に大阪で展示され、滞在制作「マッドウィメン/日本」が行なわれ、東京では大阪で制作された作品展示とともに、現代日本社会に生きる女性たちの象徴的な行為や症状をモデルに演じてもらうことで資本主義の本質的なものをあぶりだしつつ、彼女たちの抱える問題を表象化する作品制作を行うことを計画している。 
  また、F.A.A.B/Borderline Cases展実行委員会メンバー、池内靖子(立命館大教授)が故テレサ・ハッキョン・チャ(アーティスト)の著書「ディクテ」を翻訳、出版(2003年、青土社)し 、ディアスポラとしての芸術表現という問題を考えるきっかけとなった。バークレー美術館、ソウルのサムジースペースで回顧展が行われ、そこに出品されたビデオ作品を今回上映する。
 これら二人のアーティストによる社会的、地政学的、言語学的なボーダーラインにおける女性の位置の表象に対し、日本の女性/アーティストとしてわたしたちはどう応答できるのか、と考えることがこの展覧会を企画するきっかけとなりました。


参加アーティスト:
□テレサ・ハッキョン・チャ(1951〜1982)
サンフランシスコのベイ・エリアで活躍したコリアン・アメリカンの映像作家、パフォーマンス・アーティスト。2001年、カリフォルニア州立大学、バークレー校のバークレー・アート・ミュージアム(BAM)で、大々的な回顧展『観客の夢』が開かれた。 2003年には韓国ソウルのサムジ・スペースに巡展。今回は、BAMから借用したチャのビデオ作、Passages Paysages(1978)を本邦初公開で上映する。

□パク・ヨンスク
1941年生まれ。淑明女子大学。1975年より本格的に写真家として活動。韓国国内でのグループ展個展多数。1999年より“マッド・ウイメン・シリーズ”を制作。「第一回ウィメンズ・アート・フェスティバルー悪女たちの行進」(ソウル女性センター /1999年)「光州ビエンナーレ」(光州市/2002年)、フェミニスト・アーティスト・ネットワーク(韓国)の主要メンバー。

□尹錫男(ユン・ソクナム)
1939年、中国東北部(満州)生まれ。成均館大学英文学科。40歳を過ぎてからニューヨークで美術の教育を 受け、作家活動を開始。1990年代から盛んになった韓国のフェミニズム・アートの先 駆者。女性たちが歴史的に背負ってきた韓国社会の家父長制下の苦悩や、世代を越え て受け継がれる女性たちの沈黙の声を、作品を通して聞き取ることを求めている。2003年の鎌倉画廊とソウルイルミン美術館での個展など。フェミニスト・アーティスト・ネットワーク(韓国)の主要メンバー。ソウル女性映画祭実行委員。

□出光真子(いでみつ・まこ) 
1940年東京生まれ。1965-73年のアメリカ在住中に16mm映画制作を開始。日本における個人映像作家の草分けとして活動、日本の家族制度や女性の生き方を主題に作品を発表。海外で高い評価を得る。89年、シモーヌ・ド・ボーボワール・ヴィデオ祭奨励賞を受賞。ニューヨーク近代美術館、ポンピドー・センターなど多くの美術館に作品収蔵。

□嶋田美子
1959年生まれ。90年代より近代の歴史、女性のポジショナリティに注目した作品を発表。北米、ヨーロッパ、アジア諸国の国際展に多数出品。2002年光州ビエンナーレ招待作家。

□イトー・ターリ
パフォーマンスアーティスト 1951年、東京生まれ。
1982〜86のオランダ滞在の後、マイムからパフォーマンスアートに移行。フェミニズムの視点で身体やセクシュアリティについての作品を発表してい る。88〜93年「表皮」、95年「ディスタントスキンシップ」、96年「自画像」、98年「わたしを生きること」、2001年「恐れはどこにある」な どのシリーズ作品がある。

□高橋芙美子
1960年生まれ。1994年からパフォーマンス・アートを中心に作品を発表。ヨーロッパ、北米、東アジア各国の国際パフォーマンス・フェスティバルに多数参加。近年、「女性の表象」と私的な身体の関係をテーマにしている。


主催:
□F.A.A.B.(Feminist Art Action Brigade)
フェミニズムという視点から、これまでの男性中心主義がつくり上げてきた社会システム、価値観、美的標準を変え、すべての人間が同じ地平で築きあえるような社会をつくるための表現者やそれに関わる者たちの実践グループ。ここでいう「フェミニズム」は新たな、すべての人にとっての水平的な世界観を作るための思想であり、生物学的女性の権利のみを守り、拡大するためのものではありません。「anti-対抗」するものとしてのフェミニズムではなく、「for-のための、ーに賛同する」ポジティブな世界を作るためのフェミニズムでありたい。 私たちがあえてフェミニズムを標榜するのは、それがこの凶暴な現実に絶望しないための一つのビジョンになりうると思うからです。2003年4月発足。

□「Borderline Cases」展実行委員会
イトー・ターリ、池内靖子、李静和、金善姫、金惠信、熊倉敬聡、嶋田美子、高橋芙美子、鄭暎惠、西村由美子、古川美佳、堀内麻紀子、安田和代、レベッカ・ジェニスン


Borderline Cases展URL:
http://home.interlink.or.jp/~reflect/borderlinecases/

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Comments

Spot on with this write-up, I seriously feel this site needs much more attention. I'll probably be back again to see more, thanks for the advice!

Posted by: lasertest | 2015.09.19 at 10:19 AM

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» イランのアーティスト、ガゼルさんと日本のアーティスト、嶋田美子さんが登場! [Take ART Eazy!! Roll wiz'it!]
本日はトリエンナーレゲスト特集です。 横浜トリエンナーレは国際展。いろんな国の人が展示をしているし、いろんな国の人が展覧会にやってきます。 そんな中、二人の国際的に活躍するアーティストが横浜トリエンナーレにやってきました。ベネチア・ビエンナーレ2004出品作家フランス在住のイラン人作家ガゼルさんと、日本在住の作家である嶋田美子さんです。二人は友人であり、二人展を共に開催した信頼しあう作家同士です。嶋田さんはトリエンナーレ出品作家のアルマ・キントさんのワークショップの運営もされました。 ガ... [Read More]

Tracked on 2005.12.12 at 06:08 AM

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