« ひっそりぐずぐずと?始まる新学期…(泣) | Main | MLB開幕第2戦行ってきました(前編:ママ台風来襲!編) »

2004.04.02

金剛山で南北離散家族再会

10数年前に数回行われたままそれきりになってしまった、南北朝鮮の離散家族(主に朝鮮戦争で生き別れになった)の再会事業が再開されたのは、あの「南北首脳会談」が開かれた2000年の夏から、だったかな。
南北の対象者を、それぞれの出身地側に送って行われた第1回の再会事業は、たしかNHKのBSでも、朝から訪問団の出発や到着、再会シーンを、ずっと中継していましたっけ。

最近(とみに「9.17」以降…このことは後程)日本の媒体でそれが映る機会は激減してしまいましたが、金剛山観光ルートの開通以降、断続的ですが再会事業は続けられています。
今週、離散家族の金剛山訪問団が2回に分けて出発し、家族の再会を遂げているようすが、KBSのニュースで紹介されているのを見ました。

私の韓国の知人にも、「離散家族」ではないのですが、もともとは北側の「黄海道」出身で、朝鮮戦争でソウルに逃げてきた、所謂「失郷民」といわれる人がいます。
留学時代に保証人をしてくれた方の母方のお爺さんで、今年86歳くらいになるでしょうか。
そちらに住んでいた頃は、現地の尋常小学校(そういう時代のお話です)の教師をしており、日本人教師との給料の差に憤慨し校長に抗議したかと思えば、同年代の日本人の先生と親友になるなど、いろいろと若いエネルギーを燃やして(?)おられたらしいです。
話を聞くうちに、私がその「日本人の先生」と同郷であることがわかり、思いがけず「彼を探してほしい」と頼まれてしまいました。
しかし、地元の人脈に明るい父のお陰で、1ヶ月ほどで「先生」はお元気でおられることが分かり、無事連絡が撮れました。
二人は年齢上、体調もあるのでゆっくりゆっくりとですが、その後ずっと文通を続けておられるそうです。

以下、私の勝手な想像(妄想?苦笑)ですが、もし二人がもう少し若かったなら、直接会って互いに向かい合い、お互いが当時、朝鮮と日本とをどのように思っていたのか、偽りなく語り合う時間が持てたことでしょう。
その「語り」は、きっと私たちがこれから、日本と朝鮮を考えるための貴重な手がかりになったはずです。
そして、南北が統一に至らなくても、せめて今、もっと自由に往来ができたなら、二人が共に手を取り合って、青春時代を過ごした黄海道を、もう一度訪ねることができたでしょう。

日本と、朝鮮半島の南側と、北側。3つの地域の複雑な歴史の中で、人間が生き別れになる悲しい事態が、さまざまな形で起きてきました。
今、北朝鮮による日本人拉致問題は、被害人数の正確な確認、家族との再会、真相究明など、一刻も早く着実に進展されなければならない問題なことは言うまでもありません。もちろん韓国での拉致問題も全く同じです。
そして、南北の離散家族再会もまた、生き別れになった家族を、生きているうちにもう一度会わせなければならないという意味では前2者と全く同じ、まさに命そのものの問題でしょう。
もちろん、訪問再会自体、南北問題の根本的な解決とは決していえませんが、再会者名簿にエントリーされながら訪問前に亡くなられた人、健康上の理由で訪問できない人などが続出する現状で、現実問題として原則論をどうこう言ってる時間がないんです。
私も、二人の老翁のことを知ってから、その「焦り」を、より身近に考えるようになりました。

先にも少し触れたように、特に「9.17」以降、日本の朝鮮半島報道が、どうしても南北の融和に対して懐疑的な雰囲気となり、それに伴って離散家族再会事業も、触れにくいトピックになっているのかもしれません。
私も、拉致被害者当事者方の希望や事情が、より広く理解され優先されるべく、できる限りの便宜が図られるベきだと、もちろん思います。
ただ、日本の人たちが彼らに寄せる思いと同じように、南北離散家族や失郷民ひとりひとりが背負うビハインドストーリーが、日本においてもより広く理解され、近くに感じることで、3つの地域と人々ががこれからどうすれば/どうなれば良いのか、より広い視点に立って考えることができるのではないでしょうか。
こうした問題(具体例としては、離散家族問題ですが…)がメディアで再度取り上げられる機会が、今後もう少しでも増えてくれれば、と感じた、今日のKBSニュースでした。

最後に、その黄海道の元先生は、日本に一度も来られたことがないのに「上野公園の桜は大変見事だね」というのでなぜ?と聞いてみると「授業で生徒にそう教えたんだよ、一度直接見てみたいものだ」と仰っていました。
毎年この季節、埼京線沿線の我が家の窓から、桜の古木を見下ろす度に、彼のこと、旧友の日本人先生のこと、そして未だ別れたままの人たちのことを、改めて思い返します。


いい加減ど長文だけど、どうしてもの追記(4月3日):
今回の再会事業で、2日「南側の担当者に、指導者を批判する発言があった」との理由で、北側がその日の公式日程を一切キャンセル、夜通しの協議の末、3日の「お別れ会」を2倍の時間にすることで妥結する、という事件がありました。
生きて二度と会えないかもしれない人たちの貴重な時間が、まるまる1日奪われたということです。
このことに限らず、世の中で、人の命が、体制や主義主張や下らんメンツなんぞの担保にされるようなことは、金輪際止めていただきたい。

|

« ひっそりぐずぐずと?始まる新学期…(泣) | Main | MLB開幕第2戦行ってきました(前編:ママ台風来襲!編) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21882/384240

Listed below are links to weblogs that reference 金剛山で南北離散家族再会:

« ひっそりぐずぐずと?始まる新学期…(泣) | Main | MLB開幕第2戦行ってきました(前編:ママ台風来襲!編) »